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MAISON GRAIN D'AILE のBlog・ART de ViVRE - アール・ド・ヴィーヴル - 暮らしの芸術。
琵琶湖のほとりに家を建て、暮らしています。試行錯誤しながらも絵になる風景、気持ち良い暮らしを目指して楽しみます。どうぞお楽しみに。

2018ART de ViVRE2016


▲普段から風の強い地域。今までびくともしなかった木柵が台風21号の強風でほぼ全壊した。
▶台風通過後の近所の神社。20m以上の樹々の連なる森が倒壊した。

December 11 , 2017

Typhoon No.21

今年の10月に発生した台風21号。
50年に1度といわれる強力な台風の影響により私たちの住むエリアにも多くの被害があった。
10月22日の夜から23日にかけていままで体験したことのない強風により、この3月に完成したばかりの木柵がほとんど全て倒壊してしまった。ポストの蓋や外灯のシェードも飛び、頑丈な石造りの門扉以外はほぼ被害にあう。
幸いなことに家自体には損傷はなかった。しかし近隣の住宅では瓦が飛びガラスが割れるところも大半で、被害のない家はないだろう。
一夜明け停電の中で外を確認するとそれまで青々としていた木々の葉は全て千切れてしまい、周辺の大きな木はいくつも根元から倒れてしまっていた。

地震や台風などの自然災害は予測不可能なもの。今回の我が家の木柵の被害はありがたいことに火災保険に付帯するサービスで元通りに復旧していただけることになり、私たちにとってはまた新たな外構のデザインを一から考えることになった。それはそれでまたどんなデザインで修復するか希望に満ちる。

木柵の復旧工事は来年2月に決定し、さらなる素敵な外構への決意に胸が高まります。



September 19 , 2017

Oil Bottle

1800年代フランスの美しいアンティークボトル。日用のオイルを詰め替えてキッチンに並べて使っている。
日常で使うものをできる限り古いものでコーディネートして生活に取り入れて、毎日の生活を美しい風景にしていきたい。

下の写真はフランスの古いポットに食器用洗剤を入れて使っているもの。18世紀のピューター皿と合わせてスタイリッシュな18世紀風スタイルに。




August 17 , 2017

Book Shelf !

オランダの古いヴォレーがまとめてあると聞いて心躍った。
1階アトリエの本棚や収納棚を製作していく段階にさしかかり、設計していく中、収納にはかなり大きなスペースを要することがわかった。そうなれば家具を置くというのでは事足りない。壁面に造り付けの収納を考えてく。重要なのは、使いやすさと仕上がりの雰囲気の良さ。そこまで大きな収納スペースの扉となるものは、格好良く映える揃いのアンティークのものを希望していた。しかしそんなに都合良く揃いの扉が大量に、また好きなテイストで見つかることは奇跡に近い。が、なんとタイミング良くこの扉が見つかった!
19世紀後半か20世紀初頭の頃の枯れたヴォレー。しかも今回はオランダのものと聞いて、フランスのものとまた少し違った大人っぽい雰囲気。

まずはメルスリーのアトリエの部屋の本棚を取り付け。こじんまりとして見えるが、これだけでも実物はかなり大きい。高さ2m60cm、横幅1m30cm。
見上げるような大きさが、大きな窓に面して、まるでパリのアパルトマンのよう。

次に、メゾングランデールのアトリエの部屋の大きな大きな収納を作っていく。この夏中の完成を目指している。

July 11 , 2017

Ground Cover

雑草も美しく管理すれば野芝と見間違える。造園業者さんはどの方も一様に芝生をおすすめしてくれるが、わたしたちは一貫として芝生は採用しなかった。理由は、自生する草をこんな風に美しく育てることに美学があったから。それは古いものに美しさを見出し風景を作ることと同じ。

雑草と言われる草が生え揃うのを心待ちにしていた。3月の外構工事終了後には砂地だった庭。7月の時点でここまで成長してくれた。来年になれば密度も増し、より細かな美しい草が生え、野芝と呼ばれるような庭ができるだろう。シンプルでストイックな美しさというのは、何にしても時間と労力がかかる。




▲小さめの石板。文字も彫るには難しいと言われる小ささだが、彫り師によると石の材質がとても良いそうで小さな文字でも美しく彫れた。家のボリュームに相対する様なプレートの小ささがかえってコントラストがきいてスタイリッシュ。
▶フランスの教会の石彫りプレート。街中でよくあるものは黒か金の文字。古いものになると今回の我が家のように無色のものもある。

May 2 , 2017

白い石板

5年ほど前に知人から頂いた白い石の板がある。おそらくフランスのものだろう。白い石が古くなっていて良い雰囲気、これはいつか表札に使いたいと思って大切にしていた。
大阪のMAISON GRAIN D'AILEのショップに来て頂いた方はご存知だと思うが黒い石板に文字を彫ってもらいお店の看板にしている。
フランスやヨーロッパ各地で個人のお家から教会など様々なところでよく見る、石板にアルファベットを彫り込んだプレート。
はじめてフランスに訪れた時から大好きな物の一つでお店の看板にもした。そして今回も自宅兼アトリエの表札としてデザインして彫ってもらう事にした。
フランスの文字のレイアウトは独特のセンスがある。何気ないものでも抜群にセンスがいいと思う事が多い。
ただアルファベットを配置しているだけではない、文字の種類から文字の大きさ、全体のバランスの美しさがある。
今回もフランスでみた石のプレートを手本に、石彫りのデザインを仕上げる。
そして無事に出来上がった。想像以上の美しい仕上がりに大満足。
彫った文字にはあえて色は入れずに陰影で文字が見えるようにした。実際取り付けてみると、いわゆる日本の表札とはまるで違う、やはりフランスの雰囲気漂うエレガントな感じになった。



▶写真左/エントランス内部。北フランスの古い照明と木構造が良く合う。
▶写真右/古い梯子で作業。道具にもこだわってどんな時も美しく。

April 23 , 2017

エントランス

玄関ポーチは施工の段階から古い材を使用して作ってもらっていた。玄関扉に雰囲気を合わせてエントランスを創る作業を始めた。新築の家をどう牧歌的にかつ過度なデコレーションにならないようにコーディネートするか、バランスを考えデザインしていく。外壁のニュアンスのある渋いチャコールグレーがストイックさと情緒的な感じを合わせ持つ。
ここに何か象徴的なデザインを配したいと思っていた。
何年か前に見つけて買っておいた材のひとつ。この装飾板は150年前に実際使用されていた木の瓦、タイの民家のものである。チーク材の硬い木の質感が年数を重ね独特の雰囲気になっている。このままディスプレイにしても良さそうなオブジェ。これで我が家のエントランスを彩ることにした。
よくヨーロッパで現存する14世紀とか15世紀の古い古い民家の要素をうまく織り込んでいきたい。我が家のエントランスもそんな感じにできてきた。
実はこれ、ただの装飾ではない。背後の山からの吹き下ろす風に目前に広がる広大な湖からの強い風、その風に雨が加わわると玄関ポーチに強い雨が吹き込む。これを改善したいと常々思案していた。完全に防ぐことはできないけれど、ちょうどよく緩和してくれている様子。

ヨーロッパやアジアを旅して見て来た私たちの世界。少しずつメゾングランデールらしい雰囲気になってきた。

March 31 , 2017

植物と、Cul noir。

部屋の中に植物がほしいとずっと思っていた。ドライのものではなく生きた植物。生命のあるものは生き生きとして活発さを空間にもたらす。私たちが表現したい部屋に存在する植物は、ストイックで寂びている詩的なものがいいと探していた。
そして先日美しい枝振りの植物を見つけた。見る者に何かを思わせるような佇まい。これはダイニングテーブルに合うだろうと話し合う。すっと伸びた枝葉が綺麗で椅子に座ると光が木漏れ陽のようで雰囲気良くとても落ち着く。
そして植木鉢。インテリアは古いもので統一したい、その信念でストックルームを探しているとふと目に止まったキュノワールのポット。1800年代フランスの陶器。もう何年も前に北フランスで見つけたキュノワールのポット。形と雰囲気は抜群だが底に穴が空いてしまっていた。しかしこれがサイズもちょうど良く植木鉢として活躍する事になった。本来の用途としては使い物にならなかった物でも視点をかえて見ればかけがえの無い物になる。ソーサーも傷が大きいものの気に入っていたキュノワールのプレートがぴったりだった。フランスの素朴なものは侘びていて静かな雰囲気を醸してくれる。

手のひらサイズのオリーブの盆栽には1700年代デルフトのクリームポット。これも底に穴が空いてしまっていたもの。

March 17 , 2017

Olive Box

春の訪れ。今年は大雪の寒い冬を過ごした分、春に喜びと解放を感じる。
いままで庭のすみで寄せ合うように過ごして来たオリーブたちにも、待ちに待った地植えの時が来た。
地植えすればそうそう動かしたくはない。だからこそ庭のデザイン、植栽のデザインを考える日々が続いた。それに鉢植えで育てていた植木は背を低く高密度に仕立てているため、広く高低差もない庭の地面にそのまま植えても良さがまったく出ない。
そこで木箱(木の囲い)を作り高さを出す事を思いついた。そういえば、パリの中庭などでも同じ様に大きな木箱に樹齢のあるオリーブが植わっているのを思い出す。イメージがまとまり、庭のシンプルなデザインを思い描いた。

粗野な雰囲気でかつ安価な野地板を使いオリーブに合わせて四角や三角にデザインして作りあげた。外構やテラスは石などクラシカルな素材を使ったのでこの木箱の形と素材のモダンさが引き立つ。庭に幾何学が点在するコンテンポラリーなイメージだがどこかフランスのワイン農家のような雰囲気もある。
野地板も時間とともにグレイッシュに枯れていくのも楽しみのひとつだ。

こうしてみると、門を入り道を進むとさながらギャラリーのような雰囲気。そこで「 le Jardin - ル ジャルダン 」と命名した我が家の庭。庭そのものを作品に仕上げるべくこれから創っていく、また新しい仕事が始まった。

↓写真右/施工前、イメージで描いたラフ図案。カーポートの時と同様に絵とまったく同じものができて大満足。



March 6 , 2017

Wood fence

家の周りをぐるりと囲む柵。どんなデザインにしようか、材質はどうしようか、いろいろ考えた結果シンプルに木柵にすることにした。
木柵にするならこんな風にしたいというデザインが前々からあった。それは上部を三角形にすること。三角の角度も好みの角度で大工さんが切り出してくれた。風通しを良く、背は高過ぎず低過ぎず、中にいる安心感と外からの目線をうまく遮るバランスを考えて木と木の隙間2cmで並べていく。その数500枚!
雨の日や雪の日もあり取り付けには時間がかかった。そして最後、天気の良い2月の末にまる2日間かけて塗装を終えた。塗装には工事関係者だけでなく村人8人がヘルプに駆けつけ、長い長い木柵の表と裏、そして2度塗り。がんばりました。みなさま本当にお世話になりました!

家の外構工事に去年の夏から取り組み、いろいろな工事を見る事ができた。半世紀(!)働いた職人たちは、こんな工事は最近では滅多にすることがないと口々に言う。いまでは簡易な外構が流行りで材質も安価なものが主流だ。我が家では巨大な飛び石をクレーンを使って敷き、石積みのエントランス、敷石のカーポート、そして石のテラス。贅沢な工事をするつもりはないが、私たちが大切にしたいことや美しいイメージは、結局人の手によって創られ代々受け継がれて来たもの、歴史そのものだ。時間もかかるし労力も技術も予算もいる。美しいデザインを探求し形にしていくこと、これからも続けたい。

←左写真は木柵越しの眺め。湖がきれいに見えるように柵の高さも吟味して。素晴らしい景色。

March 2 , 2017

以前ご紹介した " WHITE CUBE "。(このページの下の方の記事参照。)湖の家に越して来る前にリノベーションして住んでいた大阪のマンションです。私たちが住む場所にこだわって初めて購入した部屋。都心にありながら窓の外は空が広く開放感のある眺め、太陽がさんさんと入る気持ちの良いところです。場所はお店に程近い大阪市北区天満1丁目。大川や造幣局の桜を日々楽しみ、夏の花火は部屋から眺めることができます。
私たちが約2年前に滋賀県へ越した時から借りていらっしゃったご夫婦が越すことになったため、今回こちらのBlogで先行して借り主さんを募集いたします!
広さ50.74㎡ 1LDK
ご興味のある方は GALERIE AU BOIS 店頭、またはメール maisongraindaile@gmail.com までお願いします。

本募集は終了致しました。たくさんのお問い合わせありがとうございました。

February 28 , 2017

古電柱と外灯

この土地に家をたてることになったまだ一面が草むらの頃。敷地の隅に一本の古電柱が転がっていた。その古びた雰囲気が気に入りいつか使えるかもしれないと思いとっておいた。
石の塀を設計する段階から外灯を付けたいと思い塀の中に配線をしてもらっていたが、いざ完成してみるとなかなか合う照明がなかった。結局この石塀には照明を付けない方が美しいと思い、しかし照明は必要。そこでこの古電柱を思い出した。私たちがここに来る何十年も前からこの土地を照らし、一度はその役目を終えて横たわっていた電柱が、また夜の小路を優しく照らす外灯として復活することになった、まるで風貌はおじいさんのような外灯。シェードも当時の古いものを探し、無事に照明として設置する事ができた。もしかしたらあの草むらのすみで見つけたころから、イメージは私たちのなかにあったのかもしれない。

February 19 , 2017

門扉の石積みの完成 !と鉄柵の扉

昨年末から一人の職人さんにこつこつと積み上げてもらった門扉の石積みの施工が終わった。雪の降る特に寒い季節にごつごつとした石を積み上げるのは人並みはずれている。感謝しかない。60歳代もなかばの職人のごらんの通りのセンスある石積みはこの土地の歴史に残る仕事だろう。背後に迫る山から頂いた石。気高い山が見守るように、この作品が完成した。
階段も壁も全て石。階段の目地はカーポート同様にこれから苔目地で仕上げていくが、雪深い山の氷が溶けるころを待って採取しに行く。春と同時に完成しそうだ。
そして門扉につく扉はフランスの1800年頃の鉄柵の扉を選んだ。シンプルなデザインに古い鉄味が気に入っている。
職人さんは相当重いこの扉に耐えられるよう門扉にしっかりとした基礎を作ってくれて扉を吊り下げる金具も探し出し無事に取り付ける事ができた。


写真右/人を導く様に配した細長い石がきれいなポイントになってくれた。

January 24 , 2017

雪の日

本格的な冬になり雪が降った。
膝まで積もる雪の中での生活の不便さも楽しく、雪の美しい世界は静かで心打たれる。




January 11 , 2017

Stepping stones !

門からテラスへ続く道に飛び石を敷いた。庭を通りながらテラスの扉へ導く小路。ひとつひとつがかなり大きな石で存在感がある。自然に草が生えて植物や木々が生い茂れば牧歌的な雰囲気の道になるだろう。四角や三角、ダイヤ形などもある自然の敷石を使って、美しくも楽しくなるようにデザインしながら、敷いていってくれるのは職人達。人の手では到底持てない大きく重い石。


January 1 , 2017

Bonne année 2017 !

新年明けましておめでとうございます!ことしも MAISON GRAIN D'AILE をよろしくお願い申し上げます。

新年早々、階段の壁にずっと飾りたいと思っていたポスターを飾った。
ピカソのリトグラフ、「Dance for Peace」。パリのブキニストで買った古いリトグラフ作品はモノクロの色彩といい絵柄の雰囲気といい、そして酉年にぴったり。黒い小鳥の剥製も壁に飛ばして、お正月を祝う。

本年もみなさまにとって良き年となりますようお祈り申し上げます。

ART de ViVRE2016